落語『ねずみ』

仙台七夕まつりの様子



ねずみ

 1.左甚五郎(ひだりじんごろう)

実在した人物か否かは定かでなく、名工の代名詞として「左甚五郎」の名が使われていたのだろうというのが定説になっています。彼の作品はあまりにリアルなため、その木彫りの動物たちが夜な夜な歩き出したという伝説を持っています。人情に弱く、酒好きで、失敗ばかり。しかしいざ仕事となると、腕一本で精巧な作品を作り上げます。



 2.仙台七夕まつり

古くは藩祖・伊達政宗公の時代から続く伝統行事。七夕まつりは本来、旧暦7月7日の行事として全国各地に広まっていました。 仙台七夕まつりでは、その季節感に合わせるため、新暦に1カ月を足した暦である中暦を用い、現在の8月6日から8日に開催されます。東北三大祭りの1つに数えられ、例年200万人以上の人が訪れます。




あらすじ

奥州を旅する途中、七夕まつりでにぎわう仙台にやってきた名工・左甚五郎。宿はずれで男の子に声をかけられ、訳ありげの粗末な宿屋「鼠屋」に泊まることになる。聞くと、ここの宿屋の主人、もとは真向かいにある立派な「虎屋」の主人だったが、今は子どもとふたりで細々と暮らしている。なんでも、迎えた後妻が性悪な女で、子どもにつらく当たった挙句、番頭とつるんで虎屋を乗っ取ってしまったという。


これに同情した江戸一番の腕を持つ甚五郎は、木片で「ねずみ」を彫り出す。それに「福ねずみ」と名付け、店先に置いて帰っていった。すると、その木彫りのねずみが、まるで本物のようにチョロチョロと動き回りはじめる。「鼠屋の福ねずみを見るとご利益がある」という噂はすぐに広まり、鼠屋は大繁盛。部屋に収まりきらないほどの客が入り、鼠屋は大きくなっていった。



一方、おもしろくないのは向かいの「虎屋」。悔しがる虎屋は、仙台一の彫刻師・飯田丹下に大金を積んで「虎」を彫らせた。その虎を2階の手すりに置き、向かいのねずみを睨ませる。すると、ねずみはピタリと動かなくなってしまった。


これを聞いた甚五郎が駆けつけてきた。例の虎を見たが、あまりいい出来とは思えない。


「おい、ねずみよ。あんな虎が怖いのか?」


するとねずみが、

「え?あれが虎?あっしは、猫かと思いました」




オススメの一席

※柳家さん喬(やなぎやさんきょう)[1948 - ]


参考文献:『らくごよみ』三遊亭竜楽(著)朝日新聞出版(2013/12/30)

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