落語『そば清』

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お蕎麦屋さんの入り口に掛かっている「のれん」に、「きそば」という崩し文字を見かけます。元の漢字は「幾楚者(きそは)」で、これを崩した文字が書かれているようです。ようは「生蕎麦(きそば)」のことを、昔は「幾楚者(きそは)」と書いたそうで。「幾楚者」というのは、発音先行の当て字みたいなものです。特に意味のある言葉ではありません。


ただ、それでは「きそは」になってしまいます。いや、よく見ると「者」の横に、ちゃんと濁点「゛」を付けてある。これで「きそば」と読ませていますね。




そば清(そばせい)

 1.清兵衛

今回のお噺『そば清』の主人公「清兵衛」さんは、実在の人物と言われています。8年間、朝昼晩と蕎麦を食べ続けた江戸の名物男。



 2.蛇含草(じゃがんそう)

食べ過ぎによく効く消化薬。この草を食べるとたちまち消化してくれると言われています。ヘビが好んで食べることから、別名ウワバミソウとも。



あらすじ

清兵衛は大の蕎麦好き。通称・そば清。食べ比べをして、負けたことがない。ある日、信州に出掛けた清兵衛は、山中の木陰でひと休みしていた。見ると向こうの松の木の下で、猟師が居眠り中。すると、大きなウワバミ(大蛇)が現れ、あっという間に猟師を飲み込んでしまった。人間を丸呑みして、さすがに苦しいようで、大蛇がもがいている。


しかし、近くに生えていた赤い草を大蛇がなめると、ふくらんでいた腹はみるみる小さくなる。隠れて見ていた清兵衛は、「これは消化薬になる」と思い、その草を持ち帰った。


江戸に帰った清兵衛は、五両の金を賭けて、70杯の蕎麦食いに挑戦する。60杯までは順調だったが、途中さすがに苦しくなって休憩を申し出た。清兵衛は、廊下に逃げておいてから、隠れて例の薬草をぺちゃぺちゃなめる。


障子の向こうが静かになった。


様子が変だと、一同が障子を開けると、、、

ソバが羽織を着て座っていた。


それもそのはず、実は清兵衛が持ち帰った薬草は、人間だけを溶かす草だった。



オススメの一席

※古今亭志ん朝(ここんていしんちょう)[1938 - 2001]


参考文献:『らくごよみ』三遊亭竜楽(著)朝日新聞出版(2013/12/30)

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