にっぽんの仏像(参)明王

西大寺 - 愛染明王坐像



大日如来の使者として、仏敵を追い払い、衆生を仏教に帰依させる役目が「明王」です。


多くの明王像は、忿怒相で、燃え盛る炎の形をした光背を付けています。


光背とは「後光がさしている」ようなアレです。光背について、少しご紹介します。



光背

明王像だけでなく、如来像や菩薩像も光背を背負っています。もともとは、如来の四辺が光輝くさまを表すものでした。


1.頭光:円光を基本形とする


 1-1.円光

 1-2.宝珠光

 1-3.放射光

 1-4.二重円光


2.挙身光:全身をおおう

(左から)舟形光、火焔光、飛天光


 2-1.舟形光

 2-2.火焔光

 2-3.飛天光




明王

明王像は平安時代の初めに、空海や最澄によって、密教とともに日本へもたらされました。不動明王は山岳信仰の修験道と結びつきながら、庶民のあいだにも浸透していきます。「山伏の出立(いでたち)は即ちその身を不動明王の尊容に象る(かたどる)なり」とある通り、行者たちの多くが不動明王を自らの守護尊としました。忿怒相の内に隠された救済者の心を、どう感じ取るかも鑑賞の楽しみでしょう。


 1.不動明王

東寺 - 不動明王坐像


一切の煩悩を焼き尽くし、衆生を仏道へ教化する役割です。「お不動さん」として親しまれており、交通安全の祈祷でおなじみです。



 2.愛染明王

東京国立博物館 - 愛染明王坐像


全身赤色、愛欲などの煩悩を浄化し、悟りへ導きます。どろどろとした愛情や欲望が、激しく深いほど、逆に大きくて澄みきった悟りの心に変わると考えられています。



 3.軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)

東寺 - 軍荼利明王立像


「軍荼利」とは不死の意味です。軍荼利明王は、衆生のあらゆる煩悩を打ち砕き、宇宙を創造する限りなき生命を表します。全身が青色で、手足に赤い蛇がからむ姿が特徴的です。



 4.孔雀明王

金剛峯寺 - 孔雀明王坐像


明王では珍しく、穏やかな表情の菩薩相を持ちます。インドでは孔雀は毒を食べ、吉祥を呼ぶ鳥と言われます。そのため、孔雀明王は、あらゆる毒、災い、苦悩を消し去り、衆生を救うと信じられているのです。



 5.降三世明王(ごうざんぜみょうおう)

大覚寺 - 降三世明王像


降三世明王は、人間の煩悩を打ち破ってくださいます。煩悩の原因とは「貪(貪欲)」「瞋(怒り)」「痴(愚痴)」の三つのこと。この三世を降伏することから、その名が付きました。


降三世明王の足元で踏みつけられているのは、異教の神シヴァ神とその妃パールヴァティーです。この構図は、仏教の教えに従わぬ異教に打ち勝ち、その神をも仏教に吸収することを表しています。




五大明王
(中央は大日大聖不動明王、右下から時計回りに降三世夜叉明王、軍荼利夜叉明王、大威徳夜叉明王、金剛夜叉明王)

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