はしワはしデモとりガ持ッテルはしワなァに?

箸のマナー

よそ様の箸使いを注意する気は毛頭ありません。あくまで自分で自分の所作を気にしておけばよいだけです。そもそも慣れた作法で召し上がるほうが美味しく感じるでしょう。料理を美味しく食べることがまず大事です。


また、少々の間違いがあっても、それを指摘するような行為はいかがなものかと思います。悦に入って自分の知識を披露するようなことだけは避けたいものです。食卓は楽しく囲みたいですよね。


箸使いのマナーは奥深く、昔の言葉で「箸先五分、長くて一寸」(五分:1.5cm/一寸:3.0cm)と言います。箸先を濡らしていいのは3センチまでだ、ということです。なかなかハードルが高いですね。


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とはいえ、さすがに以下のような無作法を食事の場でされる人もいないでしょう。


01. 飯に箸を立てる:「立て箸(仏箸)」

※亡くなった人の枕元に添える「枕御飯」である


02. 二人で同時に同じものを箸でつかむ:「二人箸」

03. 片方が竹で、もう片方が木というように異なる素材をセットで使う:「違い箸」

※どちらも葬式の際、火葬場で骨揚げの儀式を連想させる


04. 茶碗などを箸で叩く:「たたき箸」

※餓鬼が来て悪霊を呼ぶという迷信がある。そもそも箸を粗末に扱うのは行儀が悪い。


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この辺りの行為も、相手が不快になるので注意が必要です。最低限、一緒にいる人が不快にならない程度を心がけたいですね。


05. 料理に箸を突き刺す:「刺し箸」

06. 箸で人や物を指す仕草:「指さし箸」

07. どのおかずを取ろうか迷う:「迷い箸」

08. いったん取りかけてから他の料理に移る:「移り箸」


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わたしも普段から気をつけていますが、ついうっかりマナー違反をしてしまったときは、冷や汗が出る思いです。やりがちな所作がこれらです。


09. 小鉢などを自分のほうに持ってこようと、箸で寄せる行為:「寄せ箸」

10. 箸先がずれたときに器で「トントン」と揃える:「そろえ箸」

11. お椀の上に箸を渡して置く:「渡し箸」

12. 箸についたものをなめる:「ねぶり箸」

13. 箸先から汁を垂らす:「涙箸」


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あの世の箸について

画像:http://bukkyouwakaru.com/dic/index.html

仏教の説話に、「三尺三寸箸」というお話があります(三尺三寸とは約1メートル)。有名な話ですので、ご存知の方も多いでしょう。地獄と極楽の食卓では、どちらも1メートルもの長い箸を使います。実は地獄の料理も粗末なわけではありません。食事の内容は地獄も極楽も同じなのです。では何が違うのか。


地獄では「我れが我れが」と必死に自分が食べようとします。しかし、長すぎる箸です。当然、ご馳走は自分の口に入りません。するとだんだんイライラして、怒りだす者もいる。それどころか、隣の人が箸でつまんだ料理を奪おうと、醜い争いが始まる。それが地獄です。


一方、極楽では長い箸を使ってお互いに食べさせ合う。極楽の住人は、長い箸でご馳走を挟むと、 「どうぞ」と言って、自分の向こう側の人に食べさせます。すると相手は 「ありがとうございました。今度は、お返ししますよ」と言って、お返しに食べさせてくれるのです。


心の持ちようで、この世は地獄にも極楽にもなります。相手を思いやり、感謝しながら、食事を楽しむことです。自分さえよければ...という心持ちでは、幸せは遠のくでしょう。合掌。




レモンの搾り方講座

ちなみに、輪切りレモンをお箸で上手に搾るやり方があります。箸を交差させるとよく搾れるのです。輪切りレモンは手で搾ろうにも、なかなか搾りづらいところがあります。さらに細かいことを言えば、マナーの面でも輪切りレモンを手で搾ってはいけません。

画像:http://thats-gaku.info/


やり方は上の画像の通りです。まず、箸を両手に一本ずつ持ち、レモンの輪に対して交差するよう直角に刺します。それから、箸をそれぞれ逆方向へひねる。すると、タオルを搾るようにレモンが搾れるのです。成功するとかっこいいのですが、さほどスマートではありません。フォーマルな場では控えたほうが無難です。




参考文献:『日本人の「食」、その知恵としきたり』永山久夫(監修)海竜社(2014/11/4)

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