ダイヤモンドは砕けない

(c)荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』/集英社



硬いモノの代名詞「ダイヤモンド」。地球上には他にも硬い鉱物はあるものの、その美しい輝きは最も多くの人を魅了していることでしょう。周りからダイヤモンドの意志と評されることは、人として誉れ高きこと。


ちなみに、ダイヤモンドを砕くことは可能です。これはダイヤモンド唯一の弱点かもしれません。物質には原子配列によって、強い方向と弱い方向があります。例えば、木材を木目に沿って刃を入れると切りやすいような感じ。しかし、この性質のおかげで綺麗にカッティングされたダイヤモンドが作れるわけです。カッティングできないほど硬ければ、今ごろただの石っころ扱いですもんね。



また、ゴルゴ13(61巻)「死闘ダイヤ・カット・ダイヤ」において、最硬度ダイヤモンドの狙撃依頼がありました。ダイヤモンド市場を牛耳る巨大カルテルへ、裁きの雷を下すデューク東郷様かっこいい♡




ダイヤモンドのちょっとした秘密

ダイヤモンドは希少品などではまったくありません。ダイヤモンド鉱山は南極以外のすべての大陸にあり、豊富に産出されているのですから。希少でないなら、なぜあんなに高価格なのか。その鍵を握るのはデビアス社です。創業者のユダヤ人セシル・ローズがロスチャイルドの支援を受けて設立したのがすべての始まり。


デビアス社は1888年に設立され、南アフリカ共和国に本社を置く国際シンジケート。何かと物議を醸すことの多いこの企業は世界有数の宝石在庫量を誇る。しかし、そのほとんどはしまいこまれたまま。採掘から製造、加工、製品製作までのプロセスすべてを支配しているデビアス社は、何世代にもわたって世界中のダイヤモンド取引を独占しており、適切な時期に適切な量だけダイヤモンド製品を流通させている。そうすることによって高値を維持し、なんでもない鉱石を貴重品に見せている。ダイヤモンドが欲しければ、デビアス社を通すしかないという強硬なシステムを作り上げました。



そして、ダメ押しがマーケティング・トリックです。そもそも第二次世界大戦までエンゲージリングを交換するという習慣は珍しいものでした。いわんやダイヤモンドをや。そこでニューヨークの広告マンを雇い、「輝く石を贈ることが結婚の意思を伝える唯一の手段である」というイメージを大衆に信じ込ませることにしました。結果は今の世界を見ての通り、大成功。


「ダイヤモンドは永遠の輝き(Diamond is Forever)」「婚約指輪は給料3か月分です」「スゥイートテン・ダイヤモンド」など、これらの有名なキャッチコピーはすべてデビアス社の打ち出した広告なのです。これらのキャッチコピーは人類の歴史上、最高の成功例と言われます。




そうだ、日本人に買わせろ

ところが、ロシアやオーストラリアでダイヤモンドが生産されるようになります。すると、デビアス社のシェアはみるみる下がっていき、全盛期の5割程度にまで落ち込んでしまいました。


そこでデビアス社が打ち出したのは、消費者マーケットを直接狙うというもの。そして、そのターゲットが日本でした。実際に日本人が最もよく購入する価格帯1カラット程度をデビアス社が吊上げているのは有名な話。



しかし、2017年6月にデビアス銀座本店を閉店。これにより、デビアス社は日本からの撤退を余儀なくされている。「デビアス 日本から一時撤退(WWD JAPAN.com)」 - ヤフーニュース2017/07/26付


昔に比べて日本の消費者が賢くなったせいか、あるいは日本経済が斜陽になり見切りをつけたか。いずれにしろ、ダイヤモンドはただ静かに、その光をたたえている。



HAL ლ(´ڡ`ლ)