出羽三山神社(山形県)


東北を代表する山岳信仰の霊場


涼しさや ほの三か月の 羽黒山 『おくのほそ道

江戸時代には俳人・松尾芭蕉も詣でたという出羽三山



出羽三山は日本古来の山岳信仰に、仏教・道教・儒教などが習合(再構成)した「修験道」のお山です


山伏の修行場としてその歴史は古く、東日本随一の山岳霊場です



そして、羽黒山の「出羽神社」、月山頂上にある「月山神社」、湯殿山中腹にある「湯殿山神社」の3社を総称して【出羽三山神社】と呼びます


それぞれに祀られる御祭神は、 

 月山神社 → 月読命 ツクヨミノミコト
 出羽神社 → 伊氏波神 イデハノカミ・稲倉魂命 ウカノミタマノミコト
湯殿山神社 → 大山祗命 オオヤマツミノミコト・大巳貴命 オオナムチノミコト・少彦名命 スクナヒコナノミコト



羽黒山・出羽神社

現世の安穏を約束する観音浄土

三神合祭殿

平成12年、国の重要文化財に指定される
社殿は合祭殿造りと称すべき羽黒派古修験道独自のもので、高さ28m(9丈3尺)桁行24.2m(13間2尺)梁間17m(9間2尺4寸)で主に杉材を使用し、内部は総朱塗りで、屋根の厚さ2.1m(7尺)に及ぶ萱葺きの豪壮な建物(出羽三山神社HPより)


2,446段の石段

石段は傾斜が急です
それが何段も延々と続きます
しかし、引き返し時が分からず、結局ゴールまで行ってしまう


爺杉(樹齢千年以上)

写真だと大きさが伝わらないですね
「すげーデカイ!」しか言えない、デカすぎて何も言えねぇ


須賀の滝


五重塔

昭和41年(1966年)に国宝に指定された、東北地方では最古の塔
塔は総高約29.2メートル、塔身高は22.2メートル
屋根は杮(こけら)葺き、塔身には彩色等を施さない素木の塔である



主峰・月山

過去世で衆生を導く阿弥陀浄土

八合目「なで兎」

手前に映るのは「うさぎ」

兎は古くから、月山神のお使い、或いは月の精とされ、悪運から逃れる力があるとされる
ちなみに十二支の内、卯年は月山の御縁年


月山の8合目は森林限界を超えており、限られた植物しか生育できない
この荒涼とした景色は、現世とあの世を分かつ「賽の河原」と呼ばれる

「弥陀ヶ原」・・・霊山の山頂近くの湿原で高山植物などが群生している箇所を、阿弥陀の浄土になぞらえる。月山の八合目、立山中腹、白山の弥陀ヶ原が広く知られている。


実際に訪れたときの、圧倒的な「あの世」感!

ひんやりとした風が湿原の草花をサラサラと揺らす音、遠くでさえずる鳥の声


モヤっていてちょっと先が見えないだけに、この世界にひとり取り残されたような、夢の中にいるような、そんな不思議な感覚を味わえます



神秘に息づく行の山・湯殿山神社

湯殿山には御神体について「語るなかれ、聞くなかれ」という戒律がある

現在も写真撮影は禁止


俗世から切り離された神域のため、

素足になってお祓いを受け、穢れを流してからようやく参拝が許される


「清めていない不浄なものを持ち込んではいけない、まして、落ちているものを拾ってはならない」



この教えは多くの寺社仏閣に当てはまることですが

基本的に何かを拾い、持ち帰る行為はよくありません


記念だからといって樹の皮を剥がしたり、

境内にある小枝一本、石一つでさえNGです


理由として一般的に言われるのは、

無数の参拝者たちの我欲や苦悩が宿っているから自分の身が危なくなる

運気を上げたくてお参りしたのに逆効果と言われます


そもそも聖域というのはそこに存在するすべてのものが調和している世界

そこから勝手に持ち出すという行動は

その調和を破壊する行為だと心に留めておきましょう



羽黒派修験道

修験道の法流には、大きく分けて真言宗系の当山派と、天台宗系の本山派がある

それ以外にも各地の霊山を拠点とする国峰修験が存在し、羽黒派もそこに分類される


羽黒派修験道の根底を成すのは、「三関三渡 サンカンサンド」の思想

その内容とは、人生には3つの関門があるというもの

・この世に生まれる以前、母親の胎内にいるのが第一期
・胎内から脱して現世に生きるのが第二期
・生を全うし来世に再生するのが第三期


この前世から現世、そして来世へという三世のサイクル、

生と死と再生を体感するのが出羽三山のテーマ


羽黒山は現世、月山は死後の世界、湯殿山は再生を象徴するとされる


この地は壮大なる浄土の山塊なのである



《DATA》

鎮座地/山形県鶴岡市 
御祭神/月山神社:月読命、出羽神社:伊氏波神・稲倉魂命、湯殿山神社: 大山祗命・大巳貴命・少彦名命
創祀年/月山・羽黒山:593年、湯殿山:605年
サイト/http://www.dewasanzan.jp/

随神門